永遠の憧れの前髪
わたしは安室奈美恵さんに永遠に憧れている
幼い頃にみた
ステージ上で踊って歌う、キラキラと輝くその姿が
私の夢になったのだ
小学生の頃、ライブの映像を何度も何度も見て
擦り切れるほどみて
ダンスや歌や仕草、喋りかたを真似た
激しいダンスで顔にかかる髪
歌詞を間違えた時に髪をかきあげる仕草
走りながらなびく前髪…
そう
あの前髪は私の永遠の憧れなのだ
おでこの出るあのなびく長い前髪が…
小学生の頃、もちろんロングにして前髪だって伸ばした
ただ、なぜだか…
全く違うのだ
もちろん根本的な容姿の問題は
別の問題として置いておくが
まるで私の前髪は「のれん」なのだ
あの頃にいたずらな男の子がいたら、きっといじられただろう
「ママやってる?」って
幸いなことにそんな男の子はいなかった
そんな、「のれん」前髪では授業だって集中できないのだから、私の母は前髪からきっちりと結わいてくれていた
ただそれは私のなりたい前髪じゃない…
そんな思いを持ち続け
大人になった私の永遠の憧れは
未だにあの前髪なのだ
大人になったって髪の生えかたは変わることなく
まっすぐと素直にしっかりと生えてくれている
中学の同級生が私の美容師なのだが
いつもミリバールのメグのヘアスタイルをつくってくれていて、とても信頼できる友人でもある
理想の髪型に向けて伸ばしている前髪を見て
「あんたは短い前髪がよく似合うよ」と
私の思いとは裏腹に前髪を切ってくれた
自転車に乗った帰り道
1つだけ分かったこともある
今日はいつもよりずっとずっと世界が広く見えるのだ
心地よい風が
この短い前髪にふれ
永遠の憧れはまたそっと離れて行った
メグ
