きろく

2011年、私達ミリバールは田園都市線の溝の口駅にいた その日初めて人前での演奏をすることになった そしてそれは初めての路上ライブとなった 初の路上ライブはシンガーソングライターのnoraと言う女の子と一緒にやった 私達はこの女の子のライブによく遊びに行っていた とても人を惹きつける女の子で、noraの音楽はまっすぐと届いてきて いつの間にか涙が出ていたり、笑顔になれた 路上ライブやライブハウスでの経験も沢山あったnoraが、ミリバールと一緒にやってくれる事になったのは本当にありがたかった 一緒にと言っても、代わる代わる演奏をした 私達は駅前で集合をした みんなそれぞれ大荷物できた メロンはステージで着用している〝インディアン〟の格好で電車に乗ってきた ハロウィンの季節でもなかったのに、メロンはハートが強いようだった セッティングをして、演奏をはじめた 楽しかった すごくすごくワクワクした 初めての路上ライブの印象はこれだった そして、駅前には人集りができた 私達は「夢助」や「Hey凡人」「ぬりえの町」などを披露した のちにこの曲達は1stアルバムに収録することになった 路上ライブから数ヶ月後 私達は初めてのライブハウスでのライブを行った 私はMCで路上ライブでの話をした そして初めてのライブは最高に楽しい日となった そんな最初のあの感覚が、私を、私達をずっとミリバールでいさせてくれてるのではないかと 今こうして書きながら思った

絶妙三角形

これは、ライブ本番前の控え室でのこと わたしは決まって朝から何も食べられないでいる マリエくんはいつも通り、物販コーナーへ行ったりコンビニへ行ったりウロウロとしている メロンは、と言うと 対バンの方々と仲良くお話ししているのだ ミリバールの自己紹介と言えば決まって、ボーカルのメグ、ドラムのマリエ・フランソワ、キーボードのメロン そして続けて、メロンの説明をするのが定番となっている どんな自己紹介かと言うと 「メロンはステージ上では一切笑いませんし、話しません。これは怒っているのではなく、大変な笑い上戸のため演奏に支障が出てしまう、と言うことから笑顔を封印しています。」と、言った説明を毎回している。 大抵、そんな説明をドラムのマリエくんがしてくれる 私はそんな、身振り手振り少し早口で説明しているマリエくんが大変面白い また、ドラムなのにも関わらずファンの方が撮影してくれるマリエくんの写真のほとんどが、前に出てきて、マイクを両手で持ちMCをしている瞬間が多いのだ これもまた、面白い 話を戻そうと思う そんな、ステージ上では一切笑わない、話さないメロンはステージの裏では、1番社交的なのだ そして、よく笑うしよく話す とても可愛い女の子だ 時々、学級委員の様な位置になる時もあるが、それもなかなか魅力的でよい 私達はなかなか、ファンの方とライブ会場以外でお会いすることはない ライブ本番が終われば15分くらいだろうか 物販コーナーで、少しお話しする事ができる もっともっと感謝を伝えたいのだけれど、嬉しい事に沢山来てくれてい

エチュード

私は高校1年生の時に女優の小川眞由美さんが作った劇団に通っていた きっかけは父親だった ある日新聞を読んでいた父が、小川眞由美さんが劇団を作ると言うことを知り 劇団員募集オーディションの記事を見つけたのだ わたしは何も知らされていなかった そんなある日、親に吉祥寺に連れていかれ 「今からオーディションだよ」と言われた 意味がわからぬまま、なんとなくの説明を受けた私は劇団員オーディションがやっている場所にきていた オーディションはエチュードをやると言うものだった 小学生の頃から歌手を目指している私はオーディションに慣れていた もちろん落ちることにも だけど、今回の【エチュード】と言うオーディションは初めての体験だったのだ 中学生の頃、演劇部にいた事がある でもそれも歌手になるために1番役に立つ部活動なんじゃないかと言う動機だった オーディションには沢山の人がいた 素人は私だけなんじゃないかと思うほど、周りのみんなは劇団員に見えた わたしの番が来て 人生初の【エチュード】をやった エチュードとは 即興劇の一種。 わたしは小さい頃から、シナリオを作るのが大好きだった シナリオと言っても子供が作っているものだから、ただの妄想と言うのだろうか だけどそのシナリオで友達が演じてくれたりもした 小学生だった頃、私達は大人の真似をしたドラマを作る遊びが流行っていた 脚本も演出も監督も全部自分達だった 詳しくは書かないが今思えば大人びた脚本だった そんな日々を過ごしていたこともあり、わたしはいつも頭の中で物語をつくり

ある雪の日に

2014年のある日、東京は雪が降っていた 家の扉が開かないほど積もっていた いつもなら、雪が降れば 学校の日だろうとバイトの日だろうと、とにかくワクワクしていた しかしその日はとても困っていた なぜなら今日はミリバールのライブ当日だったからだ ライブは中止になる事はなかった マリエくんの携帯も雪で濡れて壊れていた記憶がある ライブ会場は松戸市にある体育館だった 雪の中、向かったその会場の周りではフリーマーケットなどがやっていて、とても美味しそうな焼きそばや豚汁などが売っていた 晴れていれば、子供達だって沢山来ていただろう しかし、その日のお客さんはパラパラだった 仕方ない こんな雪の日なんだから ライブ会場の体育館は、いつになく広く感じた お客さんは出演者の方々と、私の両親くらいだった 両親はその広い体育館で少し恥ずかしそうに座っていた せっかくなのだから、もっともっとみんなで楽しみたいと思い、ライブの前にチラシ配りと呼び込みをした 「今からライブしまーす!」 「ミリバールでーす!」 みんなチラシをもらってくれた でもほとんどが、フリーマーケットを出店している人達だった いよいよ本番になり、私達はいつも通りライブをやった 大きなグランドピアノと路上ライブ用の小さなドラムセットとハンドマイクで きずけば汗だくだった なぜか忘れたけれど2ステージもやった お客さんはいなかったけれどアンコールはいつだってとても嬉しい しかし、そんな日のミリバールを記録してくれた人がいた その日、カッコ良い本物のカ

住宅街にある海辺

わたしが学生の頃、実家は自営業だった うちは父と母と兄とわたしの4人家族だ そして、パグのマイちゃんが家族の一員となった 家から学校まではとても近く、友達と一緒に登校する時は決まって私の家の前が集合場所だった 帰りは私が1番最初にみんなとお別れをすることになる 学校からの帰り道はとても楽しい 友達とはいろんな話をした 丁度盛り上がってきた頃、いつも私は家の前についてしまう 立ち止まって家の前で、みんなで話し込むこともあったけれど 1番盛り上がるであろう恋の話なんかは出来なかった なぜなら私の家の前にはいつだって父が サマーベッドに横になり新聞を読んでいたから ここは東京のよくある住宅街の一角だ 友達はみんな私の父と仲が良かった 毎日、家の前でサマーベッドに座る父を不思議がったりはしなかった それはとてもありがたかった 私は親と仲が良い こんな風に住宅街でサマーベッドに横になりながら新聞を読む父が面白かったのだ 思春期に親が通学路でそんな事をしていたら恥ずかしいのかもしれないけれど… 私は面白いと思えていた もちろん、同級生の男の子達にからかわれる事も沢山あったのだけど 父にやめてとお願いする事は1度もなかった とにかく、父がやることが私には面白かったのだ 子供の頃、私に「磁石につく石は全部隕石でとても高価なんだよ」と教えたのも父だったし そんな隕石探しの隊長になってくれたのも父だった 欲しがっていた亀を車の中で急にポケットから出して私を驚かせてくれたのも父だった 亀吉と名付けて家族の一員となっ

青空の天井(後編)

私が思う 「青空が見える毎日がお祭りの様な世界」 それは浅草だったのだ 訪れたその時も仲見世通りには篠笛のお祭りを感じさせる音が流れていた その頃から私はアルバイトをしながら歌手を目指していたから よくテレビで取り上げられている浅草は私を更に盛り上げた なぜかって ここにチャンスがあると思ったから いつだって私は単純だ 小学生の頃から歌手になりたい私は四六時中チャンスを探していた それがどんなに遠い可能性だとしても 何をしていても最後は全て歌手になる道に繋げたかったのだ 小学生の頭とやる気と妄想で作り上げたプランは いつだって夢にあふれているのだ 今思うとなんのチャンスがあったのだろう 芸能人が浅草で食べ歩きをし、たまたまそこに働いていた私がテレビ局の方の目にとまり 「君、芸能界に興味はあるかい?」なんて聞かれ…これ以上文字に起こすことはやめておこう 今となれば恥ずかしい動機なのだから そして全ては妄想なのだから とにかくその日、私は浅草で働くと決めた 団子屋と煎餅屋の前に止まり より活気があり青空が見え店内に光が入る 優しそうな店員さんがいそうな店に決めた わたしは煎餅屋の前にいた 煎餅屋アルバイト物語はまた違う回に書こうとおもう なぜかって とてもとてもお世話になったからだ ただ、最後に1つだけ言っておこう 私は煎餅がキライだったのだ メグ

青空の天井(前編)

ある日わたしはパスタ屋の厨房にいた 朝から晩まで、パスタを作り皿を洗う またあくる日もパスタを作り皿を洗う日々 わたしはパスタ屋でアルバイトをしていた 学生時代からの仲の良い友達と一緒に始めたアルバイトだ 私達は一生懸命働いた 働くことが好きだったのだ 人気店にする事に夢中だった 毎日が楽しかったのだ 来る日も来る日もパスタを作り皿を洗い いつからか発注なども任されるようになり 最年少の私達はお店の中では先輩になった とても忙しかったけれどとても充実していた 後に父はこの頃の私を狂った様に仕事に燃えていたねと言っている その通りだった 私は仕事に魂を持っていかれていたのだ ある日、他のアルバイトの人が欠勤してしまい 私はオーダーされたパスタを3つ同時に1人でつくっていた その時 突然わたしは青空が見たくなったのだ 厨房の中から外の世界に行きたくなったのだ そして私は決めた 青空が見える毎日お祭りの様な世界でアルバイトをしよう…と すぐに私はパスタ屋を辞めた そして履歴書1枚を持って出掛けた 〝浅草〟仲見世商店街へ つづく

お茶会3人組

ミリバールは打ち合わせが好きだ と、言うよりお茶会が好きだ 打ち合わせ、と言う名の談笑会だ だいたい一週間に一度は会っているのだけれど(もう6年くらい) 未だに待ち合わせして、顔を合わせる時に少し照れてしまう(きっと私だけだが) この感覚はなんなんだろう なんとなく分かるけれど文字にするのはやめておこう 3人が席につけばすぐに誰かが話し出し 次から次へと話が出てくる もちろん私も話が止まらない 一週間前に会っていたって話は尽きないのだ 2人の話は面白い 話し方がうまいのか その話が面白いのか 興味深い話ばかりだ メロンはコーヒーが大好きだ 話が弾み過ぎれば二杯目を頼みに行くほどコーヒーが大好きなのだ 時々カフェインを摂取し過ぎていないか心配になってしまうが 幸せそうにコーヒーを飲むメロンを見ていると 今日もやっぱり心地よい空間になるのだ マリエくんは甘い物が大好きだ 今日からダイエットだと言いながら やっぱりダイエットは明日からと言う、フレーズをよく口にしている 言葉のチョイスまで女子力が高いようだ 太っているわけではないから、今までは私もそんなマリエくんを笑って見ていたけれど 最近は本当に心配になるほど 糖分に呪われている そんな2人を見ながらノンカフェインコーヒーを私は飲む とても幸せな時間なのだ この心地よい空間やワクワクするこの感覚を感じながら 想像する次回のライブのアイディアは いつだって「打ち合わせ」ではなく お茶会から生まれるのだ メグ

永遠の憧れの前髪

わたしは安室奈美恵さんに永遠に憧れている 幼い頃にみた ステージ上で踊って歌う、キラキラと輝くその姿が 私の夢になったのだ 小学生の頃、ライブの映像を何度も何度も見て 擦り切れるほどみて ダンスや歌や仕草、喋りかたを真似た 激しいダンスで顔にかかる髪 歌詞を間違えた時に髪をかきあげる仕草 走りながらなびく前髪… そう あの前髪は私の永遠の憧れなのだ おでこの出るあのなびく長い前髪が… 小学生の頃、もちろんロングにして前髪だって伸ばした ただ、なぜだか… 全く違うのだ もちろん根本的な容姿の問題は 別の問題として置いておくが まるで私の前髪は「のれん」なのだ あの頃にいたずらな男の子がいたら、きっといじられただろう 「ママやってる?」って 幸いなことにそんな男の子はいなかった そんな、「のれん」前髪では授業だって集中できないのだから、私の母は前髪からきっちりと結わいてくれていた ただそれは私のなりたい前髪じゃない… そんな思いを持ち続け 大人になった私の永遠の憧れは 未だにあの前髪なのだ 大人になったって髪の生えかたは変わることなく まっすぐと素直にしっかりと生えてくれている 中学の同級生が私の美容師なのだが いつもミリバールのメグのヘアスタイルをつくってくれていて、とても信頼できる友人でもある 理想の髪型に向けて伸ばしている前髪を見て 「あんたは短い前髪がよく似合うよ」と 私の思いとは裏腹に前髪を切ってくれた 自転車に乗った帰り道 1つだけ分かったこともある 今日はいつもよりずっとずっと世界が広く見えるのだ 心地よい風が この短い前髪にふれ 永遠の憧れはまたそっと離れて行った

カラフル歯医者

カラフルな洋服がすきだ 着ている人も着ることも だけどお医者さんに行く時は暗めな服を選ぶ 今日は歯医者に行く だけどカラフルなスカートを着た 前後に予定があるからだ きっと受付で「今日はなんだか派手だね」 「今日は何かあるの?」「らしくないね!」 と聞かれる… 事は絶対にないだろう 自意識過剰だ だけど「らしくないね」や「あなたっぽいね」という言葉がなぜが痒くなる だから子供の頃は毎日色々な服装や髪型を考えて学校に行っていた ミリバールのライブでの衣装も毎回違う衣装を着ている これは純粋にみんなに耳でも目でも楽しんでもらいたいからだ だけど幼い頃から思う「…らしさ」を作らないためにと言うところもあるのかもしれない 入り口をたくさん作りたいのだ 色んな人の事を知りたいから 1つの入り口だけじゃ足りない だけどトレードマークを作りたい願望もあるから 言行不一致だ そんな事を色々と考えているけれど それでも病院の受付で何か言われる事はないのだ 病院に行くのは気分もあがらないからだとも思うけれど、なんとなくカラフルを選ばないでいる 今日だけ特別だ メグ

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